突然の性癖語りと自分語りになってしまうが、自分は中学時代に彼女を寝取られたことがあった。今でこそ「脳が破壊される」なんていう常套句があるが当時はそんなものはなく、けれども確実に脳にダメージが行き、心身に異常をきたしズタボロになっていた私が行き着いた先は寝取りのようなもので、恋人がいる女性と肉体関係を持つことで自分が加害者の側に立ってやっとその呪縛から解き放たれた。
その後数年経ち、社会人になり漫画の中での寝取らせにハマっていった(NTラボというすばらしい作家のせい)
もともと自分の近しい人間にしか性のベクトルが働かなったからこそ、自分の知り合いが目の前でそういう行為に及んでいる状態に興味が湧いた。
先日、昔のセ◯レが乱◯パーティーの企画をしていた。
1年ほど前、自分がtwitterの裏垢界隈のイベントに連れて行き、自分はその空気に馴染めず、その娘だけがズブズブとハマって袂を分かち合ったような状態だったが、その時は何となく、本当に何となく、人生経験として出席を表明した。
現場に行くまでの行程は非常にシンプルだった。
女性2名に対し時間制(2時間毎)で男を2〜4人ほど相手をする形でシフトを組まれ、twitterのDMでやりとりをする。
ホテル代だけ電子マネーで徴収されあとは目的地のホテルに当日向かうだけ。
想像だが、結局女性二人で15人ほど相手していたんだと思う。
当日は、袂を分かった女性が男でも毛がない方を好むので2年ぶりに全身の毛を剃り、昼から酒を飲んでいた。
この時点で間違っていたんだと思う。
時間から5分ほど遅れて街から少し離れた閑静なホテルに私はいた。
ドアを開けると見知らぬ女性が下着姿で挨拶をしてきた。
「もう他の二人はいますよ。」
見ると、なんと言ったらいいのだろうか、簡潔に言うならサッカー部のような若者が2人いた。
筋肉質で短髪のイケメン。
あとで年齢を聞くと19、20らしかった。
それに比べて自分は25歳で、1年前から体重が10kg増えた中肉中背の冴えない男だ。
ここで自分の中で決定的に間違ったスイッチが入ってしまった。
いわゆる先輩面だ。
初対面の男2人に対して謎のメンタルの余裕を見せつけようと、笑いをとるような、部活で後輩から「ハハハッ…」と苦笑されるタイプの先輩の立ち回りに無意識に変わっていた。自分の中の小さなプライドがそうさせたんだと思う。
始まっても何の興奮もなかった。どう頑張ってもそんな気分にならなかった。
相手に何をされようと。
自分が想像していた、知り合いが乱れている姿を第三者目線で見ていても。
最後には無理に動こうとして運動不足の私は足を攣った。
惨めだった。
女性2人は不機嫌になる。
自分は笑いでどうにかしようとする。
お菓子や飲み物を渡してみたりする。
最後に自分の唯一、ずっと半ば強制的に鍛えられてきた手の技術でベッドを潮でめちゃめちゃにし、それだけで自分の立ち位置をどうにかしようとしていた。
顔や目に塩分濃度の高いしょっぱい液体が入りながらも2つのベッドを濡らすだけしかできず、その姿を見ても一向に上を向かない自分のご子息に苛立ちさえした。
プライドが高いことがコンプレックスでそれをどうにかしようと四苦八苦して10年近く過ごしてきたけれど、今回もそのプライドのせいで自分が惨めなことになった。
あの時、口に入ったしょっぱい液体は、自分の涙だったのかもしれない。